昔の小説家の主な収益は印税か原稿料くらいしかありませんでしたが、最近ではWeb小説投稿サイトが存在します。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+、エブリスタ等々。
自作品を投稿する場所が増えており、デビューもしやすい時代です。小説家にとっては非常にありがたいですね。
一部のWeb小説投稿サイトでは【収益化ができる】ということはみなさんご存じでしょうか?
私もカクヨムやアルファポリスで収益化し、お小遣い程度ですが収入を得ています。
そこで今回は【カクヨムとアルファポリスの特徴やメリットデメリット】そして【どれだけ稼げるのか】を実際の数値を載せつつまとめようと思います。
他にもWeb小説投稿サイトはあるのですが、2022年7月2日の現状ですと【カクヨムとアルファポリス以外は稼ぐのは難しい】と思いますので、私が実際に利用し、ある程度の収益を得ている2サイトに絞りました。
カクヨム
小説家になろうと二極化しつつある、KADOKAWA運営のWeb小説投稿サイトです。比較的規模は大きく、頻繁に新人賞や大賞、読者や作者主導のコンテストなどを活発に開いています。
21万作以上の小説が投稿されており、小説家になろうの96万作品にはまだ遠いですが、それでも国内ではトップに位置する投稿数です。
カクヨムから書籍化している作品は数知れずあります。【書籍化デビューを目指しながら、日々収益を得ることができるというメリットは非常に大きいでしょう】。
カクヨムのメリットデメリットはこちらです。
・コンテストではKADOKAWA系列のレーベル以外がほぼ存在しない。
・恋愛、女性向けの作品が伸びにくい。
・換金方法が銀行口座振込しかない。
以上です。それでは実際に、どうやって稼ぐのか見てみましょう。
・リワード :アドスコアを参考に計算される。アドスコアと同じ数になるわけではない。【大体アドスコアの5%くらいの割合】で【1リワード=1円に換金できる】。
好きな作家にギフトを贈ることができるシステム。【作家によって換金率は変わるが、大体実際の金額に近い額が貰える】。
カクヨムは広告と投げ銭方式でインセンティブ(ロイヤルティ。※ロイヤリティではありません)を得ることができます。
ちなみに【リワードを得てから約1年で失効しますので注意しましょう】。
では実際に私が得たリワード(収益)と各作品のPV数を載せます。
リワードは2022年4月以前なので、今よりもやや少ないです。現在は【全部で13000リワードほどあります】。
各作品のPV数ですが、2021年4月以降の更新は以下の二作品でほぼ占められています。
『最底辺の【金属魔術】を極めた俺、魔術師協会から追放される ~四大魔術も兵器も通じない『メタルモンスター』を倒せるのは俺の金属魔術だけだって? そんなの俺の知ったことじゃないな~』
二つの作品と他の作品のPV数を合わせると【大体12万PV】となります。
そしてリワードは【大体13,000リワード(円)】ということを考えると、【リワード数はおおよそPVの10分の1】ということがわかります。
これは概算なので誰にでも当てはまるということではありません。
上記二つの作品はランキング上位に入ったのでそれなりにPV数が多いですが、他の作品は数千程度です。
ちなみに『マジック・メイカー -異世界魔法の作り方-』のPV数がトップですが、ロイヤルティプログラムを有効にしていなかったので、スコアは加算されていません。
また【カクヨムではロイヤルティプログラムは作品の商用利用にあたらないとしています】。そのため【書籍化してもそのまま収益が貰えます】。
総合すると、以下の条件を満たしている人がカクヨムに向いていると言えるでしょう。
アルファポリス
小説家になろうと同じくらいの老舗サイトです。
アルファポリス内で24hポイントが1500以上であれば書籍化申請ができるという点は大きなメリットです。加えて、コンテストを頻繁に開いたおり、書籍化に意欲的なようです。
サイト内で漫画や小説をレンタル、販売しているため【すべてアルファポリスサイト内で完結できています】。そのぶん集客が見込めるでしょうし、アルファポリスのファンが見やすいように導線に気をつけているようです。
それではアルファポリスの特徴とメリット、デメリットを見てみましょう
・換金方法が豊富で自由に選べる。
・換金の最低支払金額が安いため換金しやすい。
・書籍化条件が公表されているため安心できる。
・漫画に関しても力を入れている。
・頻繁にスコアを得られるようなキャンペーンを開催している。
・書籍化申請しても、よほど人気出なければ通らない。
・UIがやや使いにくい。
以上です。こちらに関しては後に語ります。
それでは実際にどのように稼ぐのか見てみましょう。
・アルファコインに交換(60円分から交換可能)(50スコアを60円分に交換できてお得!)
・Amazonギフト券に交換(100円分から交換可能)
・楽天メルマネで現金に交換(1,000円分から交換可能)
・ドットマネーでギフト券、現金、ポイントに交換(1,000円分から交換可能)
カクヨムに比べて【換金方法が豊富なのがわかります】。
しかも【換金の最低支払金額が非常に低い】ので、いつでも換金できるのは利点ですね。
カクヨム同様【約1年でスコアは失効しますので注意が必要です】。
以下に、実際に得たスコアとPV数を載せます。
確定スコアは、まだ6月10日~7月10日分が加算されていませんが、恐らく合計で20,000スコアほどになる計算です。
こちらもカクヨムに載せた二作品が抜きん出ています。というよりそれ以外の作品は実際に投稿していないんですが……。
カクヨムに比べ、女性向け作品である『捨てられた元聖女ですが、なぜか蘇生聖術【リザレクション】が使えます ~婚約破棄のち追放のち力を奪われ『愚醜王』に嫁がされましたが幸せです~』の方が人気であることがわかります。
アルファポリスではスコア履歴が一か月前までしか見られないので、累計スコア数はありませんが、【大体、PV数の1%~2%程度がスコアになります】。
結構な幅があるので明確な数字は出せないのですが、私の場合は【120万PVで約20,000スコア】ですので【約1.6%程度】であることがわかります。人によって多少の差があると思うので、おおよそで考えてください。
また、少し話は違いますが【アルファポリスで外部URL(小説家になろうなどの別の投稿サイトにリンクする方法)で登録している作品はインセンティブが貰えないので、アルファポリスに投稿しなおしたい】と思う場合もあるかもしれません。
色々調べたのですが、そこに言及しているサイトがなかったので運営さんに連絡し、聞いてみました。
【外部URL登録している作品を、アルファポリス内で登録しなおすのは問題ない】との返答をいただきました。
さらに【外部URL登録している小説を消す必要もありません】とのことでした。
ただし【書籍化が決定している作品については削除、非公開などの対応が必要になる】ので、注意が必要です。
それでは最後にアルファポリスに向いている人をまとめます。
以上です。
それぞれの特徴やメリット、デメリットを書きましたが、個人的には【カクヨムもアルファポリスも両方利用した方がいいと思います】。
両サイトでは【基本的に、同じ作品を別のサイトに投稿することは禁止されていません】。投稿するために労力を割く必要はありますが、それだけの価値はあると思います。
最後に、非常に酷な話ではありますが……今回の記事に載せた私のスコアは【ある程度の期間、ランキング上位を取った場合のもの】です。
カクヨムでは『最底辺の【金属魔術】を極めた俺、魔術師協会から追放される ~四大魔術も兵器も通じない『メタルモンスター』を倒せるのは俺の金属魔術だけだって? そんなの俺の知ったことじゃないな~』は【ランキング一桁まで行きました】。
そしてアルファポリスでは『捨てられた元聖女ですが、なぜか蘇生聖術【リザレクション】が使えます ~婚約破棄のち追放のち力を奪われ『愚醜王』に嫁がされましたが幸せです~』が【数日間HOTランキング1位】と【恋愛ランキング5位内】に入っています。
つまり【それだけの上位を獲得して1、2万程度しか稼げない】ということでもあります。各サイトで継続的に稼いでいる人は、日々更新し、ランキングに載るため苦心していらっしゃると思います。簡単な道ではないでしょう。
ただ小説を投稿してしばらく経ち、ランキング圏外にいても【毎日、数十円程度の利益はあります】。複数の小説を書き、ある程度の人気を出せば【毎日、数百、数千円の不労所得が得られる可能性はあります】。まあ、ちょっとした印税みたいなものなので不労所得とは違う気がしますが。
自分の小説が利益を生むというのは非常に得難い感動があるものです。0から自分だけの力で生み出したものが価値を得て、お金まで出してくださっている方がいるのですから。
Web小説を投稿するのは誰でもできます。まずは挑戦してみてもいいかもしれませんね。
それでは、また。